第0章導学:なぜ「仕事の方法論」が必要なのか
「仕事ができる人」の共通点と、キャリアを支える3つの武器
本講から「仕事の方法論」という新しいセクションに入ります。
職場で、「あの人は仕事がデキる」「あの人は靠譜(カオプー=頼りになる)」と評価される人がいます。 一方で、同じ部署で似たような仕事をしているのに、なぜか評価が上がらない人もいます。
この差は何でしょうか? 「才能」の違いでしょうか? それとも「アピール上手」だからでしょうか?
仕事ができる人の「3つの判断基準」
多くの人は「あの人は態度が積極的だからだ」と考えがちです。しかし、実際にチームを率いるマネージャーの視点から見ると、「仕事の態度」と「仕事の能力」は別物です。
→ 精神論や長時間労働は、マネジメント層(本部長・CTOクラス)の評価基準ではない。
判断基準1:完結思考
これは、仕事を「やりっぱなし」にせず、最初から最後まで責任を持つ姿勢のことです。
- 事前計画:なぜやるのか、どうやるのか。
- 事中実行:計画を実行する。
- 事後総括:結果を振り返り、次につなげる。
凡人との違い: 多くの人は「言われたから作りました(計画無視)」「リリースしたので終わりです(総括無視)」となりがちです。 プロフェッショナルは、開発前には「ビジネス価値」を問い、リリース後には「ユーザーの反応と数値」まで責任を持ちます。
判断基準2:体系的な方法論
経験や勘に頼るのではなく、再現性のある「型」や「フレームワーク」を使って仕事をすることです。
- 品質の安定:「調子が良い時はすごい」ではなく、どんな状況でも一定以上の成果が出せる(下限の保証)。
- 説得力の向上:「なんとなく」ではなく、「モデルで分析した結果」として語れるため、上司やチームを納得させやすい。
「経験」は個人の資産ですが、「方法論」はチーム全体の共通言語になります。
判断基準3:結果
最後はシンプルに「結果」です。 どんなに立派な理論も、ビジネスに貢献しなければ机上の空論です。
「結果が出る方法」こそが「良い方法」です。以前の環境で正解だったやり方が、今の環境で通用するとは限りません。
本コースで学ぶ「8つの仕事術」
このセクションでは、長年のキャリアで検証し、実際にテック企業の現場で効果実証済みの8つのフレームワークを厳選しました。
事前計画
KPIの奴隷にならず、意味のある目標を立てる技術です。
1. OKR計画法
GoogleやIntel流の目標管理。「KPI(指標)」と「OKR(目標)」の違いを理解し、チームの力を一点に集中させる「フォーカス」の技術。
事中実行
計画を絵に描いた餅にせず、確実に着地させる技術です。
2. 3C方案設計法
常に3つ以上の選択肢(Choice)を用意することで、意思決定の質を劇的に高めるメソッド。
3. PDCA執行法
基本中の基本。計画(Plan)と実行(Do)だけでなく、検査(Check)と処置(Act)をどう実務に回すかを解説。
4. 5W根因分析法
トヨタ式「なぜを5回繰り返す」。表面的な対処(止血)で終わらせず、根本原因(病巣)を取り除く思考法。
5. 5S問題処理法
複雑なトラブルに直面した時、パニックにならずに事態を収拾するための5ステップの手順書。
事後総括
仕事を「やりっぱなし」にせず、次の成長の糧にする技術です。
6. 4D総括法
「結果・データ・技術・成長」の4次元で整理する方法。昇進面談の資料作成が驚くほど楽になる。
7. ピラミッド報告法
マッキンゼーのピラミッド原理を応用。忙しい上司に「1分」でイエスと言わせる論理構成。
8. 4ライン振り返り法
失敗プロジェクトや障害のポストモーテム手法。犯人探しを避け、組織としての再発防止策を構築する。
まとめ
これら8つの方法は、エンジニアからマネージャー、事業責任者へとキャリアを重ねる中で、実際に使い倒してきた道具たちです。
まずは「型」通りに真似て、慣れてきたらカスタマイズし、最終的にはあなた独自の「勝ちパターン」を作ってください。
次回から、さっそく「OKR計画法」に入ります。
思考の練習
今日の講義を聞いて、あなたの今の仕事のやり方を振り返ってみてください。
- あなたは「事前・事中・事後」のすべてに意識を向けていますか?
- もし「事中(実行)」だけに偏っているとしたら、明日からどのフェーズを強化したいですか?